今回は、SDGsを経営に上手く活用している、沖縄県内のカフェの活動をご紹介いたします。
BUNアミューズメント有限会社 代表取締役 松村萌々さん
■cafe and fruits BUNBUNについて
cafe and fruits BUNBUNは、美浜アメリカンビレッジにあるカフェです。アメリカンビレッジ初のフルーツカフェで、フルーツのメニューを中心にボリュームたっぷりなプレートメニューまで提供しています。つい写真を撮りたくなるような、海外映画をモチーフにしたスペースがあり、特に10~20代の若い方に多くご来店いただいています。
■食品ロスをなくす新メニュー「トロピカルドリンク」
関係するSDGs17の目標:目標12 つくる責任つかう責任
日本国内の食品ロス量は年間600万トンで、食品製造業や食品小売業、外食産業等の事業者から発生する「事業系食品ロス」が約半分を占めています。cafe and fruits BUNBUNでも仕込み用のカットされたフルーツが余り、廃棄になってしまうという課題がありました。廃棄になってしまうフルーツを活用する方法がないかと、調理担当のスタッフも交えていろいろな商品を検討した結果、余ったフルーツを冷凍保存し氷の代わりにドリンクに入れる、「トロピカルドリンク」という新メニューを開発しました。今ではカフェの人気メニューのひとつになっており、スタッフの手が空いている時間に作成できるため時間の有効活用にもつながっています。「トロピカルドリンク」により、cafe and fruits BUNBUNでのフルーツの廃棄量は、ゼロになりました。
また、cafe and fruits BUNBUNは、地産地消を目指し沖縄県産の食材を多く扱っています。農家の方から「コロナ禍で卸先が休業するなどして、取引が中止となり廃棄となるフルーツの量が増えている」という話を伺ったことをきっかけに、パイナップルやマンゴーなど県を代表するフルーツを中心に、県内の農家から仕入れています。県内で仕入れることは、配送にかかる分の費用を削減できるという経営上のメリットがあるだけではなく、配送に必要な燃料や二酸化炭素排出量の削減により環境問題にも良い影響があります。また、県外から観光に来ているお客様も多いため、県産の食材であることは商品の魅力にもつながります。
本取組は、食品ロス削減や地産地消などSDGsに取り組むことが、経費の削減や売り上げアップにつながる例と考えています。
<余ったフルーツを、冷凍してドリンクに入れた「トロピカルドリンク」>
<フルーツ以外にも積極的に県産の食材を使用。県産のソーセージを使用した「沖縄ソーセージ」>
■働きやすい環境づくりによる安定した雇用の実現
関係するSDGs17の目標:目標1 貧困を無くそう、
目標5 ジェンダー平等を実現しよう、目標8 働きがいも経済成長も
cafe and fruits BUNBUNでは、短時間での出勤も可能とし、急な休みにもスタッフ同士で協力し合える体制作りをしています。柔軟な働き方ができる職場にすることで、国籍や障害の有無、性別を問わず、学生を含む幅広いスタッフに活躍いただいています。若者が働ける場を整備することは、沖縄県の若年者(15~29歳)完全失業率が全国と比較して高いという課題にも良い影響があると考えています。
その他に、新型コロナウイルス感染症拡大などの外的要因によるお店の休業に備え、グループ会社の他業種の会社で働ける環境の整備も進めています。また、働きがいのある職場となるよう、スタッフの意見を取り入れる体制作りや、得意・不得意を配慮したスタッフの配置も行っています。
■SDGsに取り組む意義・メリット
上記の取組のように飲食店がSDGsに取り組むことは、食品ロス削減による経費削減、新しいメニューによる売り上げアップ、良い労働環境による雇用の安定化など、社会や環境だけではなく、飲食店の経営にも良い影響を生みます。
cafe and fruits BUNBUNは、飲食店がSDGsに取り組む意義・メリットを他の飲食店にも普及するため、沖縄県庁が開催する「おきなわSDGsフォーラム」にて取組紹介を行いました。今後は、cafe and fruits BUNBUNのインスタグラムやTwitterなどのSNSを活用して、取組の内容やSDGsに取り組む意義・メリットについて発信していく予定です。
cafe and fruits BUNBUN
所在地:〒904-0115 沖縄県中頭郡北谷町美浜9−7 PLAZA-F 1階
電話:098-923-2270