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【事例紹介】“沖縄をサステナブルな県に” ゴミ拾いからはじまった大きな夢-後編-

REPORT / 2023.10.04

前編では「沖縄まるごとゴミ拾い」が誕生したきっかけや実行委員会の津波さんの思いをご紹介いたしました。後編では、「沖縄まるごとゴミ拾い」の実施報告や、参加者の声をご紹介いたします。

【前編:https://www.okinawa-sdgs.jp/news/2892/】

沖縄まるごとゴミ拾い実行委員会
津波 駿佑さん

■ゴミ袋1,160袋のゴミが集まった「沖縄まるごとゴミ拾い」

 「沖縄まるごとゴミ拾い」は、沖縄県が主催する「みんなでSDGs!」の一環として実施した活動で、世界SDGs週間を含む9月16〜18日、22〜24日、27日の7日間、本島は国頭村から糸満市まで、また、宮古島市・石垣市・竹富町・波照間島・伊是名村などの離島も含めて、県内38箇所、41団体が一丸となってゴミ拾いを実施しました。

 ビーチクリーンをはじめ、ダイビングしながら海中クリーンをしたり、街のゴミ拾いをしたり、それぞれの場所に合わせた活動内容でゴミ拾いを行い、期間中に延べ1,194人の方々が参加してくれました。「沖縄まるごとゴミ拾い」の活動で集めたごみの量はゴミ袋1,160袋分にも達しました。


■長く続けられる秘訣は「参加するハードルを下げること」

 〜「沖縄まるごとゴミ拾い」初日9月16日の朝、最初にビーチクリーンをスタートしたのは、今年で活動5年目になる「お手を拝借プロジェクト」さん。代表の田中さんにお話を伺いました。〜

 私がゴミ拾いをはじめたきっかけは、子どもたちと一緒に行った海がとても汚くて、そこで無邪気に遊ぶ子どもの姿を見ていると「この子たちが大きくなった時、この海はどうなっているんだろう」とすごく不安になったことでした。私たちの活動では、ゴミ拾いを通してゴミを “拾うこと”だけではなく、ゴミを“捨てないこと”も考えるきっかけになってほしいと思っています。特に子どもは、一回でもゴミ拾いに参加してくれたら、ゴミを捨てない子になると思うんです。沖縄のきれいな海を次世代につなげるために、私たち大人がゴミ拾いをするだけではなく、子どもたちにゴミを捨てないことの大切さも伝えることで、より持続可能な方法で沖縄のきれいな海を守っていけると思います。

 「沖縄まるごとゴミ拾い」は、県のイベントの一環で出来るということで関心を持ち、期間中の最初と最後で2回やろうと決めて、今日の浦添と24日の糸満開催でエントリーしました。その内、今日の開催場所は、県内のさまざまな場所で実施される中で、私たちはひとりでも多くの人が気軽に参加できる場所でやりたいと思い、サンエー浦添西海岸パルコシティの目の前「結の浜」での実施を決めました。おかげで、はじめてビーチクリーンに参加した人や地元の人でたまたま通りかかって飛び入り参加した人も多くて、たくさんの人にいいきっかけを提供できたと思っています。

 ビーチクリーンの途中、雨が降ってバタバタしてしまいましたが、カエルさんが来てくれたり、みなさんが話しながらゴミ拾いをしたり、とても楽しそうにやっていたことがすごく良かったです。普段の活動でも、みんなに負担がかからないように、ゴミ拾いに必要な道具はこちらで準備したり、メンバーも参加できる日に来てもらったり、気軽に楽しくできるようにしています。参加するハードルを下げることが長く続けられる理由になっていると思いますし、特に今回の取組のように、県内のいろんな場所で実施することで、地元の人も環境について意識するようになると思うので、今後も「沖縄まるごとゴミ拾い」を続けてほしいし、私たちも参加し続けたいと思います。

写真:お手を拝借プロジェクト代表の田中さんと、「結の浜」で漁網を解体する様子
カエルの着ぐるみを着た“カエルさん”もゴミ拾いに参加し、ビーチクリーンを盛り上げた。


■意識するだけでゴミは見えてくる

〜「沖縄まるごとゴミ拾い」に参加した高校生にもお話を伺いました。〜

 学校のボランティア部に所属していて、顧問の先生から「パルコシティの近くでゴミ拾いがあるみたいだよ」と勧めてもらったきっかけで参加しました。

 会場に着いた時は、ゴミが落ちていないように見えたし、きれいな海だと思ったけれど、実際にゴミ拾いをしようってなって、ゆっくり砂浜を歩くと、小さなプラスチックのゴミやたばこの吸い殻が落ちていたので、ビックリしました。普段は小さいゴミが落ちていても全然気づかないけど、意識するだけでこんなにゴミが見えてくるのが驚きで、考えさせられました。

今日、はじめてビーチクリーンに参加したのですが、大きな道具も必要ないし、他の人と話しをしながら楽しくできるので、また参加したいです。


■楽しく続けて、みんなでより良い沖縄を“共創”していく

 〜「沖縄まるごとゴミ拾い」実行委員会の津波さんにお話を伺いました。〜

 僕は本島のほとんどの会場でゴミ拾いに参加しました。そこでいろんな人と話しをしてみると、初めてゴミ拾いに参加した方が多くて、SNSで見ましたとか、友達に誘われて来ましたとか、近くに住んでいてたまたま通ったらゴミ拾いをしていたので飛び入り参加しましたという方がたくさんいて、とても嬉しかったです。まずは気づいた人が参加して、その人の周りの友達や家族に広がっていけば、いずれは、このような活動が沖縄県全体でできる日が来ると可能性を感じました。

 なかでも驚いたのは、東京から観光で来ていた方が参加してくれていたことです。その方は沖縄の綺麗な海が好きで、素敵な活動をしているならぜひ参加したいと言って、当日参加してくれたようです。県民だけでなく、沖縄が好きと言ってくれる人も一緒にゴミ拾いをしてくれるのは、とても嬉しいですし、改めて、沖縄県民だけの海ではないんだなと感じました。

 延べ1,194人というたくさんの方々が参加してくれた「沖縄まるごとゴミ拾い」ですが、一番嬉しかったことは、参加してくれたみなさんが、初めて会う人同士でもお互いにコミュニケーションを取りながら、楽しく笑顔でゴミ拾いをしていたことです。ゴミ拾い活動は継続して行うことが大切ですが、やっぱり楽しくできないと続かない。海を綺麗にしよう、自然を残そうというモチベーションで取り組むことも大切ですが、ゴミ拾いって楽しいね、今後も続けていきたいねって思ってもらえることが、一番大切だと思うし、開催側の僕たちが一番嬉しいことでもあります。 今回、沖縄県と一緒に企画・実施できたことで、さまざまな団体の人たちが「沖縄の綺麗な海や自然を守りたい・後世まで残したい」という同じ目標に向かって、一緒に活動できたので、とてもよかったです。今後も民間と行政が一緒になって、みんなで力を合わせてSDGs達成のために取り組めたら、今回のようなインパクトがある企画もできると思うし、県民の気運も高まって、より良い沖縄をみんなで共創していけると思っています。「沖縄まるごとゴミ拾い」も今回だけにとどまらず、来年、再来年と、規模を大きくしながら続けていきたいです。

写真:沖縄まるごとゴミ拾い当日の様子
浦添市・波照間島・糸満市(街中クリーン)・北谷町(海中クリーン)

沖縄県SDGs推進・普及イベント「みんなでSDGs!」
沖縄まるごとゴミ拾い

参加団体、開催場所など詳しくは公式インスタグラムから
https://www.instagram.com/okinawa_gomihiroi/