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お知らせ

【事例紹介】この島の損保。継続的・安定的なあんしん・あんぜん

REPORT / 2024.07.09

大同火災海上保険株式会社
経営企画部 事業戦略・サステナビリティ推進室
課長    金城 弘一郎さん
課長代理  仲宗根 由実さん

 第1回認証制度で認証された企業のうち「大同火災海上保険株式会社」について、同認証制度に申請された取組をピックアップしてご紹介します。併せて、第2回認証の申込が始まったことを踏まえ、認証制度に申請したきっかけや良かった点、今後申請を検討している団体へのメッセージもご紹介します。

「この島の損保。」を掲げ、日本で唯一の地域の損害保険会社

 大同火災海上保険株式会社は、1950年に米軍施政権下の沖縄県において誕生した琉球火災を前身会社とする日本で唯一地方に存立基盤を置く損害保険会社です。創業以来、保険事業を通じて郷土の復興や地域経済の発展に密接に関わり、沖縄県民の皆さまとともに歩んでまいりました。「この島の損保。」として、継続的・安定的に“あんしん・あんぜん”を提供できる事業基盤を一層強化するとともに、お客さまから支持され、沖縄とともに成長し続ける企業を目指しています。

【SDGs宣言】
国内唯一の地域の損害保険会社として、経営理念の実践を通して、国連の提唱するSDGsの達成に貢献し、県民生活の安定および地域経済の発展に密接に関わり、持続可能な社会の実現を目指します。

  1. 「この島の損保。」としての使命
    :大同火災グループは、「この島の損保。」として、県民へ ”あんしん・あんぜん” を提供し、沖縄と共に成長し続け、地域経済の持続的な発展に貢献します。
  2. 地球環境保護への貢献
    :大同火災グループは、地域生活の根底にある地球環境を守るため、地球環境保護の取り組みを推進します。
  3. 地域社会発展への貢献
    :大同火災グループは、あらゆる不平等を解消し、多様な人財が活躍できる地域社会を目指し、取り組みを推進します。

インバウンド(観光)促進のための保険商品の提供

 沖縄県の観光産業における課題として、外国人観光客の増加とともに取りざたされた医療費の未収問題や言語対応が十分にできないということが挙がっています。当該課題へのアプローチとして、沖縄観光において一番利用の多い交通手段である「レンタカー」をキーに商品開発を行いました。

 2019年1月より、県内のレンタカー事業者であるOTSレンタカー(沖縄ツーリスト株式会社)と協力の上、業界初となる「レンタカー事業者向け海外旅行傷害保険特約(訪日外国人用)」を提供するに至っています。本商品は、外国人旅行客が現地からレンタカーを手配する際にVIPプレミアムプランとして選択可能であり、予約段階からアプローチができている点で対象を広げるとともに、沖縄で実際にレンタカーを借りる際に対面で保険の内容を説明することで、着実な理解につなげています。地方紙でも取り上げられ、事業者からも「社会貢献度の高い商品なので、積極的に推進していきたい」と高い評価を得るなど、注目度の高い商品となっています。

 また、本商品については、以下の付帯サービスをセットで提供しています。

提供サービスサービスの内容
提携先の外国人対応が可能な医療機関手配サービス英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語など多言語でのやりとりが可能な最寄りの医療機関を手配。
治療費キャッシュレスサービス治療費を立て替えることなくキャッシュレス対応が可能な医療機関を手配。
電話による医療通訳サービス対応不可の言語であっても、医療通訳専門研修を修了したスタッフによる電話通訳が可能。
緊急移送・ご遺体搬送手配サービス被保険者の日本国内・本国へ緊急移送が必要な場合や、本国へのご遺体搬送の手配が可能。

 当該商品に対して上記付帯サービスを提供することで、インバウンド旅行者の増加に伴う医療費の未収問題の課題解消だけでなく、インバウンド旅行者に対しては、万が一の病気やケガへの迅速な対応や言語に対する不安払拭等により「安心・安全」を提供できることに加え、それを受け入れる県内のインバウンド事業者に対しても「安心・安全」を提供し、観光推進に貢献できると考えています。

 今後は、「レンタカー事業者向けインバウンド商品」の他、インバウンドを促進可能な旅行業者・宿泊業者など幅広い業態に提供可能な商品・サービスの開発と販売を予定しています。補償対象となる「インバウンド旅行者数」の実績について、コロナ中は実績ゼロまで落ち込みましたが、コロナ禍が明け、着実に旅行者は戻ってきています。(※)旅行のハードルが下がっている今をチャンスととらえて、販売推進を強化しています。

(※2023年度:約53,000人、2024年度4~5月:約15,000人 ※大同火災海上保険株式会社における数値をもとに算出)

女性が活躍しやすい風土作りとキャリア形成

 社内での活動として、組織文化改革や女性活躍を推進するべく、事業戦略・サステナビリティ推進室が中心となりプロジェクトチームを発足しました。「①意識改革」「②働きやすい職場づくり」「③キャリア形成支援」「④女性の健康支援」の4つを柱に、女性従業員のみならず男性従業員、管理職、経営陣など社内のステークホルダーを対象として取り組みを推進・展開しています。

 2023年度9月から実行フェーズに入っており、4つの柱に活動を紐づけて推進しています。

4つの柱具体的な活動
①意識改革・全社員向けのアンコンシャスバイアス研修の実施
・管理職向けのマネジメント研修の実施や役員座談会の企画
・男性社員の育児休業取得者(第1号)の輩出
②働きやすい職場づくり・営業部署・ロードサービスグループなど現場部門におけるテレワークトライアルの実施
③キャリア形成支援・県内企業の女性社員を対象としたキャリアアップ合同研修の実施
・(一社)沖縄県経営者協会が運営する「女性リーダー部会」へ初となる「幹部」としての社員派遣を実施
④女性の健康支援・管理職も受講必須とした女性特有の疾病に関する健康セミナーの実施

 管理職向けのマネジメント研修では、女性活躍推進の観点で、「性別に関わらず、多様な人財が最大限活躍できるよう、部下の悩みや意向をしっかり汲み取り、マネジメントする力の必要性」を要素として織り込みました。

 また、キャリアアップ合同研修は大同火災海上保険株式会社だけでなく、株式会社沖縄海邦銀行、りゅうせきグループと合同で開催し、グループディスカッションやパネルディスカッションを通して、女性社員たちがキャリアや自己実現について考える良い機会となりました。なお、本研修は地方紙にも取り上げられています。

 併せて、社内アンケートにより取り組みの効果検証を実施しており、2023年度の取組に対しては「自身のアンコンシャスバイアスへの気づきがあった」や「キャリアアップを前向きに考える機会となった」といった評価が多く寄せられました。一方で、「真の女性活躍推進に向けては、男性社員も巻き込んだ取組が必要」との声もあり、これを受けて、2024年度は、プロジェクトチームに男性社員も加えて、より進化した取組を推進していきます。

認証制度に申請したきっかけや良かった点

 大同火災海上保険株式会社は、沖縄県が創設した「おきなわSDGs認証制度」の第1回認証団体として、認証されました。

 SDGsの推進への取組として、2022年度からサステナビリティ経営方針を掲げ、事業戦略・サステナビリティ推進室を立ち上げ日々の業務に活かしてきました。認証制度の説明会に参加し、これまでサステナビリティ経営に取り組んできたこと、そして今後取り組んでいくことの証明として広く表明できる制度と認識し、ボトムアップで申請するに至ったことが申請のきっかけです。

 当初、内部調整に時間がかかるのではないかと危惧していましたが、各部署において社員が自信を持ってそれぞれの業務に取り組んでいたこともあり、積極的な協力が得られたため、大きな苦労はありませんでした。

 良かった点として、社内の取組を改めて整理できたことは有益でした。記載する取組を関連部署と確認する過程で、各取組の認識合わせや社内全体でのSDGsの取組に対するリテラシー向上を図ることができたと感じています。

 また、認証内容は対外的に公表して取り組んでいることから、社内における影響力の大きさを感じています。社内のみならず、社外からも有益な情報が入りやすく、各社とのネットワーク形成もしやすいというメリットがあると考えています。実際に、ロゴマークを名刺に印字し、会話のきっかけとするなど、すでに効果が出ている部分もあると聞いています。

第2回認証への申請を検討している団体へのメッセージ

 4割程度の認証率ということもあり、認証されたことで社内のモチベーションアップや、取組を必ず遂行するという責任感につながっている実感があります。県内の組織がより多く本制度を通して取組を推進することで、県全体の持続可能性につながっていくと考えます。一緒に取り組む企業が増えると励みになるので、ぜひ申請を検討いただき、一緒に頑張りましょう。

(本記事内参考HP)

大同火災海上保険株式会社
所在地:本社  〒900-8586 沖縄県那覇市久茂地1-12-1
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